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14-12.運動すると頭がよくなるって本当か? -本当なんですねぇ、これが- [脳と健康]

14-12.運動すると頭がよくなるって本当か? -本当なんですねぇ、これが-

1.はじめに -なーんだ、そんなことか、でも手遅れじゃないの-

 頭がよいの反対は? 頭が悪い。考えて先に進めるか、分からないまま考えないか、この辺りが鍵だ。たとえば東大生や頓知の一休さんは頭が良いし、にわとりや猫は頭が悪い。しかし、待ったがかかる。何度も言うように「考える」ってどうすること?
 記憶力が良ければ頭が良いとするのがこれまでの教育界の共通の見解であった。数学や国語や英語を始めとする入試は殆どが記憶力を試すものになっている。だが思考力=記憶力ではない! どうしてそう言えるのだろう? 「考える」とは何か考えてみてはどうだろう。

2.考えるときは目が覚めている?? -そんなの当たり前だが、なーるほど!-

 確かなことから言おう。意識がないときは考えていない。意識がないときは筋肉も動かない。しかし心臓や肺は働いている。心拍や呼吸、体温調節など健康体ならば、睡眠中、意識がない時でも働いている。自律神経と中枢神経だが、ここでも待ったがかかる。中枢神経って何? 睡眠って何のためにあるの? 「裏表二面理論」の真髄はこれらの疑問や謎を解くときの考え方、つまり推理法まで提供し、どうすれば頭が良くなるか、頭が良いとはどういうことか、そして、いずれの場合においても反対のコンセプトを対比させることで納得の行く結論に収束するパラダイムを内蔵していることだ。
 意識や無意識は非科学的な信仰ではなく、エネルギーに基づいた自然の中の物理化学反応によって科学的に説明できるのである。そして重要なことは、理数科学に興味がある人ならば、理解できる説明があるのである。理解できないということが何であるか、どこに問題があって分からないのか、無知なままでいるとどうなるのか、反対に知ったらどうなるのか、などが語られる。

3.認識するプロセスが分かるかな? -うーん、これなら理解できそう!-

 先ず、身近な例から話そう。親しい友達と会話中に、知らない外国語が耳に到達しても認識しない。日本語で書かれた新聞に知らない外国の文字が書かれていても認識しない。実は、幼いこどもにおいてはこれが普通である。では認識するとはどういうことなのだろうか。それには神経細胞が入力刺激に対して「判断して」発火することを知るのが出発点である。
 ニューロンこそ知能の原点である。通常のニューロンは、触手を伸ばして外からの刺激を得る。シナプスを通して入力された情報を総合して閾値より大きいと発火する。この閾値が変化するのだが、シナプスの数や情報を得る先も変わる。これが学習である。ニューロンが「比較」して「判定」するのだが、大体の人はこれが理解できるだろう。問題は発火しないことの意味だ。個々のニューロンが判断結果を伝えるという視点が抜け落ちていたのである。

4.もう一つの謎 -だんだん分かってくる気がする!-
 ニューロンが学習し、全体としてもニューラルネットワークが学習するのだが、さらに深刻な謎が待っている。こどもが学習するとき、一体誰が学習させるのだろう?(続く)
(キーワード 認識 比較 学習)
タグ:認識 比較 学習
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14-11.裏表二面理論の真髄 -意識と無意識の裏表- [脳と健康]

14-11.裏表二面理論の真髄 -意識と無意識の裏表-

1.はじめに -なぜ裏表理論、二面理論ではいけないか-

 インターネットで「裏表理論」および「二面理論」を検索すると既に使われていることが分かる。社会には内容が同じでなくても名前を命名して公表する以上、既得権が存在すると考えられる。前にも説明したが、筆者の考えはもともと英語で発案した。スタンフォード大学へは高エネルギー物理学の研究で何度も訪問したし、後半になると情報科学の分野で共同研究に取り組み、しばしば交換訪問を行った。筆者の担当は「脳型スーパーコンピュータにおける左右両半球の役割」であった。脳型コンピュータという概念は未知の脳の高次機能として夢や希望を抱かせる反面、複雑極まりない脳の内部の働きを公表された文献のみから推理するというとてつもないプロジェクトであった。
 たちまち筆者はこの矛盾に直面し、脳の研究において欠落している視点は何かを、数学的厳密性と物理実験のデータ解析手法を背景に追求することとなった。未だかつて誰一人として成し遂げたことのない超難問だ。そこで役に立ったのが確率論であった。

2.確率論とは -数学の確率論と物理学の視点の違い-

 先ず、「はじめに確率ありき」としてボレル空間から出発するのが数学だ。これに疑問を持ったことで、筆者の背景が分かるだろう。そう、長年に亘って物理、それも理論物理から実験物理の世界に住んだことで数学者以上に変わった考え方を持つようになったのだ。それはファウストに出て来る悪魔に対する考え方だ。当然、バッハなどの音楽を通じて宗教は研究対象だ。そして究極の悪魔の存在とは、脳にイメージされる万能のあら捜しに落ち着く。つまり、自分の意見を批判し咎める役だ。悪魔を説得できなければ完全な理論ではない、ということだ。
 この発想から得られることは、自分の存在をどうやって証明するかというような物理の実験からは結び付かない研究対象があり、思考実験に頼らざるを得ない論理的な推論法を考えねばならないという視点であった。これを完成させたことで脳の仕組みの解明が進展する。

3.半定義推論法(HDIM)の完成 -これを知らないと理解不可能なのか?!-

 殆どの人は「時間」すら定義できない。まして「考える、こころ、勉強、記憶、意識」などの良く使われる言葉の意味が誰も分かっていないのだ。どうして社会がここまで高度文明の高みに到達しながら、意味論がまるで立ち遅れているのかが驚きである。このような天邪鬼のような悪魔との対話を続けると、曖昧さという概念を通して、共通点が浮かび上がる。その到達点がHDIMである。
 この推論法の要点は、早とちりを戒める副作用を備えている。すなわち、判断には確信が伴う場合とそうでない場合があるということである。天気予報と同じく、当たる時もあれば、正確には当たらないときもある。しかし、状況によっては短時間に重要な判断をしなければならないこともある。「ええい、ままよ。」とまでは行かないにしても、希望的判断や誰かに頼った判定を信じることは多い。そしてその判断の経緯は大概の場合、忘れてしまう。

4.民主主義の陰に -えー? まずい点もあるのー!?-

 歴史が証明しているように社会は集団である以上、リーダーを作り出す。これは指導者による支配と被支配者である一般庶民との戦いになる。なぜなら、生物である以上、保身こそ個人から家族さらには組織の持つ宿命であるからだ。自由と分業を目指して辿り着いた政治体制が民主主義であるが、多数決で決める以上、少数派は負ける。知らず知らずに犠牲者のことを忘れてしまう仕組みが出来上がる。多数の幸福を謳うからだ。それはそれでいい。
 問題はこの「保身」の内容だ。「生きものとしての人間」と社会や組織の一員としての保身はどこに接点があるか。それが「本能と理性」という観点だ。脳の研究はこうして実験的な設定と解析によって科学の対象となることが分かってくる。さらに「心理学」が科学にならない理由も分かってくる。早とちりを許容する限り、科学にならないのだ。

5.陰日向人間って悪いのかな? -商人に二心、男女の化かし合い??-

 皮肉なことに保身のためなら人は犯罪を犯す。高名な会社の経営者や大企業、大学の教授などが意識して犯罪に関わる。政治家がスキャンダルで罪を問われる。見つからなければいいという甘い確率論の信奉者であることと、あることを狙って集中すると、他のことに目が向かなくなる脳の仕組みが分かっていないことがその理由である。
 脳の仕組みに関する新理論を「裏表二面理論」とした。英語の [Two-faced Theory] の日本語訳として選び出した。柳田国男の「峠の裏表理論」とももう一つの「二面理論」とも名前の上で競合しないで、それらをすべてカバーして根源的な原理であることを強調したいためである。ここにも「時間」の悪魔が潜んでいる。さあ、いつ、どこで、「保身」の内容が「プライド」と密接な関係にあることが知られることになるだろうか。(続く)
(キーワード 裏表二面理論 脳の仕組み 陰日向)
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14-10.健康のためのテニスから証拠が -そんなの負けた言い訳だってば!- [脳と健康]

14-10.健康のためのテニスから証拠が -そんなの負けた言い訳だってば!-

1.今日の試合 -なんと90歳を越えてもできるなんて!-
 ダブルスの二人の年令を合わせて100歳以上の試合があり出場した。1回戦は不戦勝で2回戦でプロ(元)と約80歳になられる住職さんと対戦した。どちらも有名な方なのでよく存じ上げていた。それだけに1回戦を拝見してこれは難しいなと感じた。最大の敵はなんと自分のプライドにあった!

2.プライドを捨てると落ち着くのだが - それが言い訳だってば! 

 筆者も人の子、感情人間が意識の主体である。藤の花が真っ盛りなのに感動し、晴天になんとラッキーなことと喜ぶ。そしてアドレナリンの濃度が上がって行く。一方、自分を全体として見れば、基本は簡単な裏表理論に基づく二面性を持った二重人格者である。他の人たちも同様だ。違いは時間という背景にある。時間が長い分、人は体験し経験を積み、筋肉とその動かし方を学習し、小脳を鍛えて複雑な運動能力を身に付ける。この鍛え方が人によってそれぞれ異なり、テニスでもなんでも技術と呼ばれるものになる。そして意識を持ったこの感情人間が理性と呼ばれる判断をするのだ。
 しかしながら、ここで言う「意識を持った」という表現が間違っているのだ。正しくは、「意識を持たされた」感覚人間であり、感情を感じさせられる第2の人格の持ち主が自分なのである。問題は、この主張がどうやったら証明できるかという点にかかっている。つまり、第1の人格が陰にあって感情を操作し、第2の人格の意識を賦活し、運動をさせる仕組みを明らかにしなければならないのだ。ヒントは自律神経であり、交感神経や副交感神経などよく知られた神経学にある。これがプライドに直結するのだ。

3.「自分は感情または感覚人間である」は正しいか? -部分的に限定すれば!-
 これまで自律神経は心臓や肺など眠っていても働いている器官の制御が主と考えられて来た。感覚人間が主体で、その本体が中枢神経であり、その下に位置すると精神科や医学の先生は習ってきた。今でもそう教えている。これが裏表理論では脳の構造に基づいて、間脳と大脳皮質と脳梁こそ第1の人格の本体であって、自律神経系は行動をするための筋肉の制御のための心臓や肺などエンジン部を司っているとする。
 もともと、DNAのプログラムには行動様式の制御は組み込まれてなどいない。あるのは環境に応じて自己複製を始めとする、刺激に対応するための器官の形成に関する時間的制御の仕方と、それに多様な細胞を産生するという生合成分子マシンの維持の仕方である。そしてこのDNAを個体を超えて維持させることになるのが、神経細胞(ニューロン)であり、筋肉の制御に欠かせない小脳系とともに大脳皮質に何十億とネットワーク回路を形成して働かされているのだ。
 自分が主体であると間違って覚えたって構わない。他の誰からも、自分の頭の中で何を考えているのかは分からないのだ。自分自身にも分からないというのが新しい発見である。大概のプライドを持つ人々は、「そんな馬鹿な!」と先ず言う。文明社会が分業から成り立っていることが分からない筈は無いにも関わらず、頭の中が分業で制御の利いた行動をすることが分からないのだ!

4.意識の問題こそ最初に解かなければならなかった! -睡眠も、恋は盲目もだね!-
 
 テニスでプロのボールを受けて身体が固まったのである。予め、ボールに目を留めようと決心していた。つまり、打った直後も視線はラケットのどこで打ったか分かるように残すという意味だ。それがものの見事にひっくり返される。速い! 下が粘土質でイレギュラーバウンドする。スピンのためにそれが予測できない。さあ、ここでどう考えるのか?
 実は考えられないのだ! そんな馬鹿な! いや、誰が見ても、パートナーからもよく分かるし、ギャラリーからも丸見えだ。足が動いていないから頭も働いていないのだ! ここのところを説明するのは極めて難しい。目に入る刺激は見ているとは限らないというのが裏表理論からの帰結だ。それを復唱しよう。「目で見る」とは二つの人格のどちらかの要求で行われる動作である。無意識に目が動くならば、第1の人格が行っているし、意識的に動かすなら第2の人格の仕業だ。

5.つまり反射は第1の潜在人格が行う判断によるものだって!! -なーるほどね!-

 速いボールを目で追う。そして筋肉に指令を出す。このとき意識的に行うのでは遅れるのだ。プロの目からみると初心者の動きだから、いかようにでも調理できる。特に筋肉の動きは、腕の場合、足による構え、すなわちスタンスと腰のひねり、そして腕を鞭のようにしならせる複雑な制御によって抑えの効いたボールになる。そのどれひとつでも抜けるとミスやイージーボールになってしまう。
 プロはこれを一日8時間以上も繰り返し練習をして、小脳にネットワークを形成し、大脳皮質にも運動野に記憶を形成する。殆ど無意識に反応できるから、意識の主にはあまり負担がかからない。従って意識ある理性は戦略を考える余裕が生まれるのである。膝の反射など意識に到達する前に筋肉に指令が行く刺激に対応した反応形態があるが、その延長と考えることができる。

6.ではどうする? -反省の反対は参考にするって?!-

 どうすればよかったかというのが反省だ。終わってからなら考えられる。試合のように本番では考えられないことが多い。アドレナリンが出ている。何かに気を取られている。見られている。失敗するのは恥しい!殆どの場合、これだ。試合慣れしていない場合や不慣れなコートでは不安がつきまとう。意識に上れば分かるが、潜在人格が思っていることは大概、意識のプライドが抑え込む。だから、開き直ることが先ず第一案だ。
 これにはパートナーの了解が必要だ。パートナーにも同じようにプライドがあるからだ。四つの人格が協力すればベストだ。それにしても、ここまで敵わなかった悔しさが理論的考察に拍車を掛けるとは!(続く)
(キーワード 意識 潜在人格 反射的制御)
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14-9.証拠が欲しいんじゃない? -実際に証拠が出るって??- [脳と健康]

14-9.証拠が欲しいんじゃない? -実際に証拠が出るって??-

1.はじめに -だれでも裏表のある二重人格者なんて! でも??-

 今度の日曜日の4日夜、NHKスペシャルは動体視力の謎に迫るらしい。野球のバッターはものすごく動体視力がいい。視力検査のときに使う記号が走るのを見て上か下か当てるし、高速で通過する新幹線の車内から駅名を読み取る。剣道の試合で素人目にはどちらが勝ったか分からない。試合している当人にも無意識に身体が反射的に動くとしか分からない。ハイビジョンカメラでその様子を放映するらしい。
 これまでにもスポーツのコーチが「身体で覚える」と称してノックの雨とか一日500回のスイングとか強要する例は多い。バイオリンの弓の動きはボーイングと言う。こちらも同じだ。一体、身体のどこが覚えるのだろう。筋肉には記憶能力はないのに!

2.実は小脳にびっしり詰まった神経回路なのだ -それなら分かる!-

 筋肉を動かすために小脳がある。しかし、動かし方は学習するしかない。学習したいという意欲はだれが発現するのだろう? 裏表理論による答えは、間脳系が作り出す第一の人格で潜在意識の主であるパイロットである。そして、学習とは、それが生み出した欲求によって賦活され意識を持った小脳系の第二の感覚人格が、主体と勘違いして行うのだ。あなた方のプライドはこの勘違いから生まれる。自主的にとか自発的に練習するというのは、実は真っ赤な嘘で、本当は強制的にやらされて行うのだ!
 鉄は熱いうちに打てと言う。若いうちに勉強させなければ学習しないことを経験的に知った上での諺だ。勉強という言葉は強制の意味がある。最近、反社会的な殺人事件やモラルの欠如した行動が目立つ。それに対して誰もコメントできないでいる。この小文が誰かの目に留まって役に立つことを願うものだが、さあどうか。

3.学習の結果 -無意識の反応って反射的なのか!-

 小脳系が感覚を伴って学習する。ドーパミンやアドレナリンが出るから快感が生まれる。これがご褒美だ。教育ママを始め、コーチやトレーナーによる強制が次第に変化して、自発的に学習するようになる。それに伴い、間脳系のパイロットが小脳系の学習結果を盗み取る。大脳皮質にある運動野から小脳に信号を出して直接制御する。これがまばたきや目がきょろきょろ動く無意識の動作である。
 小脳は筋肉の制御をニューラルネットで行うため、コマンド処理系として機能する。自転車に乗れるようになると、感覚系は殆ど自由に考えながら乗ることができる。片足で立つことも訓練すればできるようになる。鶴が一本足で立って眠ることだって、こうして説明できてしまうのだ! かなり傾いたら矯正すればよい。その間はフリーで立っている。歩きながら眠ることだって不思議ではない。

4.NHKのディレクターはこれを理解できるかな? -まあ無理かも-
 日本人はプライドが高い方だ。資本主義社会では当然だ。コンプレックスが強いほどプライドも高い。「稔るほど首(こうべ)を垂れる稲穂かな」は、容易なことでは達成できない。自分を騙すことを学習しなければならないからだ。さあ、日曜の夜をお見逃しなく!(続く)
(キーワード 学習 勉強 無意識)

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14-8.騙し合う自分 -えーっ? そんなバカなことってある?!- [脳と健康]

14-8.騙し合う自分 -えーっ? そんなバカなことってある?!-

1.はじめに -どうして自分にも裏表があるのか?-

 他人には裏表がある。親友だと思っていても裏切られる。考えてみたら親友と思い込んでいた自分がアホだった。親友の保証などないのだ。それよりも認めたくないけれども、自分自身が裏表のある人間なのだ。その理由があった。先ず、自分は感覚系の人格の主であることを知ることだ。感情があることを否定出来ない以上、認めざるを得ないだろう。常に議論はここに戻って来るから、プライドが高く威張る人がいたら、脇腹をこすって思い出して欲しい。この感情人間としての自分は、小脳と辺縁系と脳梁の器官にまたがって住んでいて考えている。その自分の上司が間脳と大脳と脳梁に住んでいるパイロットなのだ。俗に言う本能の主はパイロット、それに対して社会の中での生き方を学習して創り上げる理性の主が感情人間である。裏表人間、二重人格となる理由はこの構造にあった。

2.女の子の媚びと男の子のプライド -これが親を騙すテクニックだなんて!-

 人間が動物であることを隠す理由は、知能を認識しているからである。思考力は言語能力に基づいているから、言語がないと思ったらその動物は人間の知能と比べて格段に劣っていると考える。事実、イルカや鯨や鳥などは多くの人が思う以上に知能があるのに、人間のプライドが我が身の優位性を考えたいのだ。コンプレックスの裏返しだ。そしてその原因が幼児時代の過保護にあるのだ。母親が賢いかどうかが子どもに反映するのだが、虚栄心のために子どもに騙されるのだ。なぜか? 成長した親は子どものときの記憶を失ってしまうからだ。女の子が反抗期を過ぎて媚びを示したら騙し方を学んだ証拠である。より優れた伴侶を見つけるための戦略は低学年の頃から既に開始する。
 男の子も同様、何とか親のために勉強する振りをする。本能は恐ろしいほどに人間の行動を規定する。これを人間社会の規約に縛るための躾けと教育は、知能の伸びと相反する要素を多数含んでいる。具体的には高学歴社会では少子化の傾向に進み、犠牲を減らすために取り締まりが厳しくなる。徐々に自分で自分の首を絞めることになるが、安全との取引上、止むを得ない。何しろ、自分だけ良ければいい、というエゴイズムに基づく保身がすべての価値観のトップにあり、余程の余裕がなければ思い遣りや利他心などの慈悲心など持つことが出来ないのだ。

3.なぜ騙すかの理由 -騙されたから? エネルギー問題だなんて!?-

脳の二重構造が人格の二重構造を作りだすことは、認めにくいし承服できない。もしも理解できると感じたら、かなりの自己認識力を有する人物である。なぜなら、これまで誰一人としてこれほどの馬鹿げた考えを表明した研究者はいないからである。理解できない人が採る行動は大体決まっている。理解できない人を探すのだ。今のところ、多数の庶民は無知のままで生活を強いられているから、理解するための教養が不足している。教養を高めたいと願っていても、どうしたら高められるか分からない。つまり、手遅れのままで暮らすのだ。これでは健康を保てない!
人は例外なく快楽を追い続ける。求道者も瞑想者も先ず動物だから、必ず赤ちゃんの時代がある。呑んだり食べたりしなければ空腹で飢え死にする。食べれば排泄する。それが成長して大人になると、結婚して子供を産み、次の世代を育てるようになる。ここにある必然は、何のために生きるかという思想ではなく、それを考えるという行動である。憲法で思想の自由を謳っているのは、この必然を指しているのだ。この行動は本能には無かった。陰のパイロットは感覚系人格に命令して行動させて、その結果を自分の知識に取り込む。問題は、時間の概念がパイロットにはどうしても形成できないことだ! そのために、二つの人格は互いに相手の人格を騙さなければならないのだ!

4.良心が痛む理由 -健康のために騙す?? 将来のためなのだ!-

 パイロットは初め、食べ物を取り込むことがより大事と考える。一方、理性の方は、暴飲暴食は健康に良くないと学習する。無知が恐ろしいのは、疫病に典型的に見られるように多くの人が死んでしまうことだ。先が読めないほど怖いものはない! これがパイロットの最大の恐怖で、これを克服したいために感覚系人格を従えて学習させるという妙案を捻(ひね)り出したのである。主従関係には報奨制度が必要であり、いきものの世界には例外なく“アメと鞭”が制御の鍵になっている。
パイロットが“生きる”ために学んだ本質が“騙す”こととは何という皮肉なのだ? どこにその証拠があるというのだ? 敢えて言うならば、それが“良心の呵責(かしゃく)”である。主従関係は快感と苦痛の意識によって保たれる。心臓や肺などのエンジン部の保守のために、飢餓の苦しみを用意して摂食行動をさせ、トイレの感覚も用意した。それを感覚系人格が会議中だからと我慢する。これが続くと上司は怒る。これが自律神経失調症である。円満な主従関係は健康を保つ上で欠かせないのだ。円滑なコミュニケーションの下で、本能に凝り固まった上司を宥めたりすかしたりして、理性的に変えてゆく“逆教育”こそ、パイロットに対して、本能のままでは人間性の欠如した知能のない野獣に過ぎないという“心の痛み”を“感じさせる”仕組みなのである。(続く)
(キーワード 心 健康 本能と理性)
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14-7.裏表理論は認識論も支配するって? -えーっ?!上司を教育するなんて出来るの?!- [脳と健康]

14-7.裏表理論は認識論も支配するって? -えーっ?!上司を教育するなんて出来るの?!-

1.はじめに -生まれて目が開くことは目を開けることか?-

 赤ちゃんは生まれるずっと前に耳が出来あがる。音の刺激があるからだ。一方、目は大まかに明暗を見分けるくらいまで出来て生まれる。これらの感覚系は筋肉の発達と関係していて、自律神経系が感覚器官を形成する際に制御用として耳の筋肉や目の筋肉を同時に造って、情報収集をするためだ。赤ちゃんがお腹の中で手足を動かして練習をしている時、間脳と大脳皮質に本拠を置くパイロットは耳や目も一緒に試験的に動かして小脳の神経ネットワークを訓練しているのだ。生まれて間もない赤ちゃんが目を開けると、すでに視野に入ってくる映像を追う。そしてその形状を比較して像の認識をしては、より精密さを増すように小脳や辺縁系の感覚系に命令するのだ。
 耳の方は、出産時の破水と共に呼吸方式が鰓(えら)から肺に変わり、パイロットは大慌てで自律神経系を総動員して心臓と肺の筋肉をフルに動かす。ラッキーなことに声帯があって震えて音になる。これが産声だ。これが赤ちゃん自身の、パイロットの、耳に入る。それ以来、パニックの際にはパイロットは鳴き声を出すことを学ぶ。世界一優しいママが助けてくれる。母親の方からみると、間脳のパイロットが自分の分身だからわが子の痛みは自分の痛みと感じるからだ。これが本能と呼ばれる行動規準だ。先々の養育も本能による。

2.個人としての発達へ向けて -いよいよ自律から自立へ向かうのか!-

 動物の出産ではすぐに歩ける方が生き残る確率が高い。その点、霊長類は世話をする期間が長い。高い知能を持つと、目の大きい赤ちゃんが可愛いいから長く世話ができるし、次の妊娠にも備えられる。はいはいから二本足で立つ頃には話し始める。さあ、感覚系は、また、パイロットはこの時に何をしているのだろうか? 
 認識の仕組みは数学を使わないと本当には理解できない。比べるにしても大小関係と神経の機能がどのように関係があるのか、言葉や像が情報なのか、パイロットが何を大事と考えているのか、そして感覚系に何をさせようとするのか、そんなことが分かるのか、と思うだろう! それが分かるのだ! 自立して種の保存という暗黙の掟に従うためだ。DNAはそれをさせるように進化して来たのだ!

3.進化の意味 -それが結果論的確率論ということなのか!?-

 生命には今のところ寿命という定めがある。いきものの宿命だ。世代交代は悲しい現実だが、いきものの歴史から見ると進化という奇跡を生み出した。現在、生き残っている種は夫々に理由があって生存し続けている。絶滅した種には夫々どうして絶滅したのかの理由がある。その理由の中に偶然性が隠れていることに気が付くだろうか。そして、その偶然性がどこから来るのか分かるだろうか?
 進化にも寿命にも、そして偶然性にも共通することがある。それが時間だ。時間を過去に遡ることで原因や理由が分かる。量子力学と相対性理論では超ミクロなサイズと時間がエネルギーを介して原因と結果が明確でない場合があるが、通常は因果律という縛りがあって必ず原因または理由がなければならないのだ。48本ある染色体のDNAは減数分裂によって二本ずつに分かれる。そして空間に散開し、成長して行く。見合いや偶然を経て幸運にも相手を見つけて結婚し、そのうちに妊娠する。そして新たな組み合わせのDNAを持った染色体のセットを完成させる。
 さらに「幸運」か「不運」かの試練は続く。身近な範囲から地球規模に至る環境は万全ではない。弱いから群れを作れば良いようにも見えるが、裏面もある。敵は同じ群れの中にも出来るからだ! さあ、誰が最も生存に適しているおだろう?

4.群れ又は社会の弱点 -えーっ!? 民主主義でも駄目なの?!-
 赤ちゃんがひ弱いうちは群れにいる方が安全だ。国家や会社のような組織は階級制度があって、昇進と高収入という報奨制度によって働く意欲を引き出して働かせる。階級があれば上司がいるのは当然だ。この上司が問題だ。命令する上に、部下の手柄は自分のものにし、自分の失敗は部下のせいにする。保身に凝り固まった上司の下で働かされる人たちに救いはあるのだろうか?
 人間が意識する感覚系が「自分」と思い込まされて、影のパイロットである上司の存在に気が付かなかった。さあ、この上司はどのような人格を持っているのだろうか? そして誰がそのような人格にしたのだろうか? さらに疑問は続く。この上司の性格は変えられないのだろうか、というものだ。答は、自己認識に始まり、自己練磨へと進んで次第に分かってくる。なんと上司の性格を変える方法があるのだ!(続く)
 (キーワード 潜在意識 組織 上司の教育)

14-6.ジェット機のたとえ -えっ? 盲目のパイロットだって?!- [脳と健康]

14-6.ジェット機のたとえ -えっ? 盲目のパイロットだって?!-

1.はじめに -脳のトリックが分かるだって??-

 ジェット機が飛び立つともう死ぬまで降りられない。着陸する場所がないのだ。心臓や肺がエンジンだ。これらを動かして血液を循環させ、酸素を脳に供給し、細胞を合成するために栄養を摂取し、老廃物を透析し膀胱に集める。胎児から始まる身体の形成の初期段階において、最初は音も聞こえないし目も見えない。まして意識も無い。“間脳”にオフィスを構えた“社長、首相”役の第1の人格があなたの潜在意識を司る人生の隠れたパイロットである。これが最大のトリックの謎解きの出発点である。

2.胎児から自立人間への移行 -親(子)離れできない人には分からない??-

 あなたの人生のパイロットが生命を与えられ、成長して知能を持つようになる。DNAのプログラムがそうさせるのだ。失敗を繰り返しながら自力で動き、判断をして敵から逃れ、配偶者を見つけて結婚して子孫を作る。そして同じように家族を守り、育児と躾をして次世代に文明を引き継ぐ。パイロットは初めのうちは身体形成に専心して超多忙だ。受精卵がDNAプログラムによって分裂を繰り返し大きくなる。通信のための神経細胞を造ってインフラを整備すると、ニューラ ルネットワークが“記憶”と“判断”する能力を備える。“間脳”が第1の人格の中枢で、自律神経系を通して生命維持に関するすべての指令を出す。

3.知能のトリック -なんで数学が必要なのか、ここにその秘密があったなんて!-

 パイロットはDNAの持っているプログラムで心臓や肺、骨格や内蔵、それに耳や目、鼻や舌などの器官や組織を形成する。しかし環境把握と行動のための重要な判断能力は備わっていないのだ! さあ、どうするか? 最もスリリングな謎解きのクライマックスだ!
 神経細胞が単独であっても発火したりしない! 光や音や味などの五感の刺激、それに他の神経細胞などの出力が入力されてやっと興奮し発火する。興奮があれば冷静もある。そしてそこに“比較と大小の判断”という数学の機能が発生する! そしてネットワークとして状況判断をするときの価値観を持つ。これが“人格”の定義だ。

4.パイロットが頭を良くする方法 -これぞ裏表理論の本質! お見逃しなく!-

  神経細胞が組み込まれたニューラルネットワークが、記憶素子の集合と記憶として機能する。そして“脳梁”ができて来ると、ワークメモリの登場だ。これが舞台となって今現在の情報が保持され、これまでの情報との参照や照合、比較および一致度の検定などが行われる。そして心が動いた情報の記憶だけを、睡眠時に“大脳皮質”のシナプスによる長期記憶に新しく作る。これがパイロットの学習だ。こうして“認識する”第一の人格が間脳と大脳を中心に形成される。
  しかし、植物と本質的に違うのが筋肉による行動だ! 離れた土地を移動して食料を探さなければ生きて行けない上に、配偶者を見つけることもできない。餌を摂るためや敵と闘うためには武器も必要だが先ず腕力が大事だし、逃げる脚力も欠かせない。関節で連結した硬い骨を円滑に動かすには、いろいろな筋肉の中から選んで伸張させたり、或いは収縮させたりする必要がある。この微妙な判断を同時にするのが、“小脳”のニューラルネットワークの機能である。線形代数などの数学はここでも威力を発揮して、ロボット工学その他で実証済みである。
  ここで学習上問題になるのは、動かすことはどこまで動かして止めたらよいか、つまり、位置の検出と表裏一体であることだ。暴走しない仕掛けが必要だ。そのために、小脳のニューラルネットワークの学習は試行を伴う必要がある。そこで、第1の人格の制御の下で、“小脳+脳梁+辺縁系”が“意識”を持たされて、“感覚系”として学習が行われるのだ。ここにある秘密は、われわれの意識はこの感覚系によって齎(もたら)される、つまり、第2の人格が筋肉とともに発現するという、動物特有の構造上の特質であったことである。

5.こうしてパイロットは頭が良くなる -他人(ひと)にやらせるとは!!-

  パイロットは多忙なのだ! 身体は思春期に向けて生長を続ける。妊娠から出産、育児までこなせるように一人前にする(なる)ために、皮膚を始め、歯や爪、毛髪や体毛、脂肪や筋肉、美的な容姿などを構築する。食事から老廃物の代謝まで健康的な生活の生と、生殖のための性との欲求を扱うからだ。これが第1の人格の持つ“本能”である。
  これに対し、地理的および時間的な条件、つまり、4次元時空における世代を超えた種の保存という要請、つまり物理および数学上は経験的な“結果論的確率論”に基づいた生物学からの帰結であるのだが、進化の必須の条件である試行錯誤の“シミュレーション”をする能力が必要であった。それを、筋肉による行動として体得するのが、意識下で行う学習であり、社会的な圧力、すなわち躾や教育によって“勉強”する結果として記憶に蓄積される知識が“理性”である。従って、理性を持ったわれわれは、例外なく裏の本能の顔を持つのだ!
  パイロットつまり第1の人格、或いは潜在意識の主は、第2の人格の意識を賦活して学習させる。勿論“快感”という褒美を用意してある。そして、その学習結果を“脳梁”のバッファメモリから“大脳皮質”に写し取る。これが“睡眠”の大きな役割だ。バッファが一杯になると眠気(ねむけ)を感覚系に出す。安全な場所で寝る準備をするようにという信号だ。睡眠時には意識が消滅するが、入力を遮断してメモリのメンテナンスを行うためだ。運動系も停止する。そしてメンテナンスが終わると、再び意識を回復させる。環境を把握するためだ。小鳥の声など、爽やかな目覚めはこうして得られる。

6.快感の裏の恐怖 -支配者と被支配者、社会の安定と不安定など、裏表って一体??-

  脳の秘密を大まかに述べた。裏表理論の真髄はどこにあるか? 神経にもDNAにも結果論的確率論にも素粒子論にも宇宙論にも4次元時空にも、はたまた言語や学習理論にも、音楽やスポーツにも、社会組織や主義主張にも宗教や会社にも、ありとあらゆる物事に表裏関係が隠れている。情けと恨み、愛と憎しみ、いじめと助け合い、友情とライバル、社会的と反社会的、消費と供給、テロも談合も然り、儲けと損、生と死、戦争と平和、楽と苦、山と谷、幸福と犠牲、嘘と真実、そして信仰と科学、神と悪魔に至って驚愕の連続に息を呑むばかりだ。一体、救いはどこにあるのだろう?
  このまま発表を終えれば楽だ。しかし裏表の二面性は、確率論に到達してようやく納得する。静と動こそ、一方的な時間の流れにおいて、自分を見直す拠り所だ。動を感じるからこそ静謐(せいひつ)を感じる。音楽や文章における“間(ま)”は、“無”に通じるが消極的でもあり、積極的でもある。犠牲を最小にする手段が追及されなければならない。これがヒントだ。(続く)

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14-5.「裏表理論」 -遂に発表してしまう! なぜ60の手習いなのか?- [脳と健康]

14-5.「裏表理論」 -遂に発表してしまう! なぜ60の手習いなのか?-

1.はじめに -これまでの経緯と新たな閃き-

 これまで英語では“Two-Faced Theory" と称して日本語訳では二面理論と言ってきたが、少し違和感があり、釈然としない訳であることは認識していた。人は皆、二重人格者だとも主張して来た。これもずれた表現であった。それが突然閃いた! 毎度のことだが閃きには条件がある。やらなければという焦りがあるにも関わらず、音楽、テニス、ゴルフなどと “遊ぶ”のだ。あらゆる欲求が充たされたときに閃きが来る。そしてその閃きは意外な単純さを伴っていて、うっかりすると忘れてしまいかねない。今回の閃きこそ今までの曖昧さをものの見事に払拭してくれる英語の表現の対訳である。人は誰でも裏表があるようにできていると言えば誰でも納得するだろう。実はいきものを造りだした母なる自然が裏表を持つからに他ならない。従って、これまで研究してきた集大成を日本語で「裏表理論」と名付けることにする。

2.なぜ自然が、人が裏表なのか? -すべてがエネルギーから始まっている!-

 何も無いところには何も生まれない。しかし、物理の視点からは、宇宙には何も無い空間はないのだ! ビッグバンによって莫大なエネルギーが開放され、拡散しながら冷えるにつれて物質化し、それが集まって星になり星雲や星団、そして銀河を形成する。超新星の爆発に見られるように星には誕生があれば死もある。そこには厳然と“たった4種類だけ”の力しか働いていないのだ! エネルギーからクォークや電子などの限られた種類の素粒子が数多く創られ、核子を創ると水素やヘリウムそして炭素や酸素などの原子になる。
 相互作用によって状態が変化するとき、状態の境目ができる。安定化する方向に反応が進むとしても、またエネルギーを与えれば逆に戻る。気の遠くなる時間を経て、現在の状態に落ち着いたとしても、依然として太陽の活動は続き、地球にエネルギーを与えながらやがては燃え尽きるのだ。物理から化学そして生物へと視野を拡大する。素粒子、原子、分子、DNA、細胞、骨格、身体など、どのスケールをとっても形成の段階で安定な面がある。この面が裏と表を持っているという単純極まりない事実こそ、あらゆるいきものの脳の原理となっているというのが主張なのだ。どちらが裏でどちらが表かは、どちら側に立つかで変わる。この原理は人間の集団にも当て嵌まる。ここが理論の凄いところだ! 最もシンプルな原理がすべてを明らかにする。これなら理解できない人はいないだろう。

3.脳のトリック -自分の頭が裏表の顔を作っているだって、そんなバカな! けれども??-

 最初の受精卵がDNAを完成させる。そして卵割と呼ばれる分裂を繰り返す。DNAコンピュータが働いてプログラムされた反応を行っている。子宮に着床して母体を補給先として確保する。母体の方も排卵から計算づくで待ち構えている。そして分裂が進み、大きくなった胚の中で連絡を司る神経細胞を産生し始める。インフラが出来るにつれて、脳の原型の間脳を造って社長室を置いて本拠地とする。身体形成のゼネコンの本社だ。ここからの命令で輸送用に心臓と血管を用意し、母体から補給された栄養を元に原料や資材の調達、そして排泄まで面倒を見て貰う。やがて鰓(えら)呼吸から肺呼吸に変わる用意をして肺を形成する。将来、エネルギー変換のための食物の摂取用の消化器系、酸素-二酸化炭素交換用の呼吸器系等を整備して行く。こうして自律神経系が体系化されて出来て行く。いわば、ジェット機のエンジン系等が配線されて飛行を始めるのだ。社長はこの機体をどうするのだろう。
 次に頃はよしとなると、小脳、そして大脳と脳梁、海馬等の形成と整備にとりかかる。将来、子孫を残すための必須の条件を充たすためだ。思春期になるまで健康で成長を続けることが要件だ。そのためには、地理的、環境つまりどこに餌があるか、敵か味方か、逃げるか闘うか、食べられるか毒か、性の相手なのか、ライバルと戦うのか、これらがどうしたらうまく行くのか、等を認識しながら戦略を練るための思考力を身に付ける必要があるのだ。自分だけでも出来そうだが、そうは行かない。赤ちゃんは全くの無防備で生まれる。ラッキーなのは母親が育児本能を持っていてくれることだ。そればかりではない。父親も含めて子ども或いは孫の躾けや教育をする本能を備えているのだ。
 なぜ小脳なのか。なぜ大脳ばかりか脳梁なのか。解剖学と神経学が見落としていた事実が数理学からの考え方によって発見されたのだ。産生された神経細胞が記憶に関与するのはシナプス結合によるが、これは空間を電気力に誘導されて手足を伸ばすからで、時間がかかる。一方で、刺激は次から次へと入ってくる。必要な情報を一旦、保存しておくためのバッファメモリが必要で、それが脳梁の役目なのだ。海馬や辺縁系、扁桃体などは情報を選択するための器官である。こうして自律神経系に命令されて思考を繰り返してスムーズな行動を取れるような意識を持った第2の脳が出来て行く。ジェット機は周囲の環境の把握をしながら燃料を自力で補給し、飛行を続けるのだ。
(続く)Tags:裏表理論 脳 健康

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