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14-11.裏表二面理論の真髄 -意識と無意識の裏表- [脳と健康]

14-11.裏表二面理論の真髄 -意識と無意識の裏表-

1.はじめに -なぜ裏表理論、二面理論ではいけないか-

 インターネットで「裏表理論」および「二面理論」を検索すると既に使われていることが分かる。社会には内容が同じでなくても名前を命名して公表する以上、既得権が存在すると考えられる。前にも説明したが、筆者の考えはもともと英語で発案した。スタンフォード大学へは高エネルギー物理学の研究で何度も訪問したし、後半になると情報科学の分野で共同研究に取り組み、しばしば交換訪問を行った。筆者の担当は「脳型スーパーコンピュータにおける左右両半球の役割」であった。脳型コンピュータという概念は未知の脳の高次機能として夢や希望を抱かせる反面、複雑極まりない脳の内部の働きを公表された文献のみから推理するというとてつもないプロジェクトであった。
 たちまち筆者はこの矛盾に直面し、脳の研究において欠落している視点は何かを、数学的厳密性と物理実験のデータ解析手法を背景に追求することとなった。未だかつて誰一人として成し遂げたことのない超難問だ。そこで役に立ったのが確率論であった。

2.確率論とは -数学の確率論と物理学の視点の違い-

 先ず、「はじめに確率ありき」としてボレル空間から出発するのが数学だ。これに疑問を持ったことで、筆者の背景が分かるだろう。そう、長年に亘って物理、それも理論物理から実験物理の世界に住んだことで数学者以上に変わった考え方を持つようになったのだ。それはファウストに出て来る悪魔に対する考え方だ。当然、バッハなどの音楽を通じて宗教は研究対象だ。そして究極の悪魔の存在とは、脳にイメージされる万能のあら捜しに落ち着く。つまり、自分の意見を批判し咎める役だ。悪魔を説得できなければ完全な理論ではない、ということだ。
 この発想から得られることは、自分の存在をどうやって証明するかというような物理の実験からは結び付かない研究対象があり、思考実験に頼らざるを得ない論理的な推論法を考えねばならないという視点であった。これを完成させたことで脳の仕組みの解明が進展する。

3.半定義推論法(HDIM)の完成 -これを知らないと理解不可能なのか?!-

 殆どの人は「時間」すら定義できない。まして「考える、こころ、勉強、記憶、意識」などの良く使われる言葉の意味が誰も分かっていないのだ。どうして社会がここまで高度文明の高みに到達しながら、意味論がまるで立ち遅れているのかが驚きである。このような天邪鬼のような悪魔との対話を続けると、曖昧さという概念を通して、共通点が浮かび上がる。その到達点がHDIMである。
 この推論法の要点は、早とちりを戒める副作用を備えている。すなわち、判断には確信が伴う場合とそうでない場合があるということである。天気予報と同じく、当たる時もあれば、正確には当たらないときもある。しかし、状況によっては短時間に重要な判断をしなければならないこともある。「ええい、ままよ。」とまでは行かないにしても、希望的判断や誰かに頼った判定を信じることは多い。そしてその判断の経緯は大概の場合、忘れてしまう。

4.民主主義の陰に -えー? まずい点もあるのー!?-

 歴史が証明しているように社会は集団である以上、リーダーを作り出す。これは指導者による支配と被支配者である一般庶民との戦いになる。なぜなら、生物である以上、保身こそ個人から家族さらには組織の持つ宿命であるからだ。自由と分業を目指して辿り着いた政治体制が民主主義であるが、多数決で決める以上、少数派は負ける。知らず知らずに犠牲者のことを忘れてしまう仕組みが出来上がる。多数の幸福を謳うからだ。それはそれでいい。
 問題はこの「保身」の内容だ。「生きものとしての人間」と社会や組織の一員としての保身はどこに接点があるか。それが「本能と理性」という観点だ。脳の研究はこうして実験的な設定と解析によって科学の対象となることが分かってくる。さらに「心理学」が科学にならない理由も分かってくる。早とちりを許容する限り、科学にならないのだ。

5.陰日向人間って悪いのかな? -商人に二心、男女の化かし合い??-

 皮肉なことに保身のためなら人は犯罪を犯す。高名な会社の経営者や大企業、大学の教授などが意識して犯罪に関わる。政治家がスキャンダルで罪を問われる。見つからなければいいという甘い確率論の信奉者であることと、あることを狙って集中すると、他のことに目が向かなくなる脳の仕組みが分かっていないことがその理由である。
 脳の仕組みに関する新理論を「裏表二面理論」とした。英語の [Two-faced Theory] の日本語訳として選び出した。柳田国男の「峠の裏表理論」とももう一つの「二面理論」とも名前の上で競合しないで、それらをすべてカバーして根源的な原理であることを強調したいためである。ここにも「時間」の悪魔が潜んでいる。さあ、いつ、どこで、「保身」の内容が「プライド」と密接な関係にあることが知られることになるだろうか。(続く)
(キーワード 裏表二面理論 脳の仕組み 陰日向)
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