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14-8.騙し合う自分 -えーっ? そんなバカなことってある?!- [脳と健康]

14-8.騙し合う自分 -えーっ? そんなバカなことってある?!-

1.はじめに -どうして自分にも裏表があるのか?-

 他人には裏表がある。親友だと思っていても裏切られる。考えてみたら親友と思い込んでいた自分がアホだった。親友の保証などないのだ。それよりも認めたくないけれども、自分自身が裏表のある人間なのだ。その理由があった。先ず、自分は感覚系の人格の主であることを知ることだ。感情があることを否定出来ない以上、認めざるを得ないだろう。常に議論はここに戻って来るから、プライドが高く威張る人がいたら、脇腹をこすって思い出して欲しい。この感情人間としての自分は、小脳と辺縁系と脳梁の器官にまたがって住んでいて考えている。その自分の上司が間脳と大脳と脳梁に住んでいるパイロットなのだ。俗に言う本能の主はパイロット、それに対して社会の中での生き方を学習して創り上げる理性の主が感情人間である。裏表人間、二重人格となる理由はこの構造にあった。

2.女の子の媚びと男の子のプライド -これが親を騙すテクニックだなんて!-

 人間が動物であることを隠す理由は、知能を認識しているからである。思考力は言語能力に基づいているから、言語がないと思ったらその動物は人間の知能と比べて格段に劣っていると考える。事実、イルカや鯨や鳥などは多くの人が思う以上に知能があるのに、人間のプライドが我が身の優位性を考えたいのだ。コンプレックスの裏返しだ。そしてその原因が幼児時代の過保護にあるのだ。母親が賢いかどうかが子どもに反映するのだが、虚栄心のために子どもに騙されるのだ。なぜか? 成長した親は子どものときの記憶を失ってしまうからだ。女の子が反抗期を過ぎて媚びを示したら騙し方を学んだ証拠である。より優れた伴侶を見つけるための戦略は低学年の頃から既に開始する。
 男の子も同様、何とか親のために勉強する振りをする。本能は恐ろしいほどに人間の行動を規定する。これを人間社会の規約に縛るための躾けと教育は、知能の伸びと相反する要素を多数含んでいる。具体的には高学歴社会では少子化の傾向に進み、犠牲を減らすために取り締まりが厳しくなる。徐々に自分で自分の首を絞めることになるが、安全との取引上、止むを得ない。何しろ、自分だけ良ければいい、というエゴイズムに基づく保身がすべての価値観のトップにあり、余程の余裕がなければ思い遣りや利他心などの慈悲心など持つことが出来ないのだ。

3.なぜ騙すかの理由 -騙されたから? エネルギー問題だなんて!?-

脳の二重構造が人格の二重構造を作りだすことは、認めにくいし承服できない。もしも理解できると感じたら、かなりの自己認識力を有する人物である。なぜなら、これまで誰一人としてこれほどの馬鹿げた考えを表明した研究者はいないからである。理解できない人が採る行動は大体決まっている。理解できない人を探すのだ。今のところ、多数の庶民は無知のままで生活を強いられているから、理解するための教養が不足している。教養を高めたいと願っていても、どうしたら高められるか分からない。つまり、手遅れのままで暮らすのだ。これでは健康を保てない!
人は例外なく快楽を追い続ける。求道者も瞑想者も先ず動物だから、必ず赤ちゃんの時代がある。呑んだり食べたりしなければ空腹で飢え死にする。食べれば排泄する。それが成長して大人になると、結婚して子供を産み、次の世代を育てるようになる。ここにある必然は、何のために生きるかという思想ではなく、それを考えるという行動である。憲法で思想の自由を謳っているのは、この必然を指しているのだ。この行動は本能には無かった。陰のパイロットは感覚系人格に命令して行動させて、その結果を自分の知識に取り込む。問題は、時間の概念がパイロットにはどうしても形成できないことだ! そのために、二つの人格は互いに相手の人格を騙さなければならないのだ!

4.良心が痛む理由 -健康のために騙す?? 将来のためなのだ!-

 パイロットは初め、食べ物を取り込むことがより大事と考える。一方、理性の方は、暴飲暴食は健康に良くないと学習する。無知が恐ろしいのは、疫病に典型的に見られるように多くの人が死んでしまうことだ。先が読めないほど怖いものはない! これがパイロットの最大の恐怖で、これを克服したいために感覚系人格を従えて学習させるという妙案を捻(ひね)り出したのである。主従関係には報奨制度が必要であり、いきものの世界には例外なく“アメと鞭”が制御の鍵になっている。
パイロットが“生きる”ために学んだ本質が“騙す”こととは何という皮肉なのだ? どこにその証拠があるというのだ? 敢えて言うならば、それが“良心の呵責(かしゃく)”である。主従関係は快感と苦痛の意識によって保たれる。心臓や肺などのエンジン部の保守のために、飢餓の苦しみを用意して摂食行動をさせ、トイレの感覚も用意した。それを感覚系人格が会議中だからと我慢する。これが続くと上司は怒る。これが自律神経失調症である。円満な主従関係は健康を保つ上で欠かせないのだ。円滑なコミュニケーションの下で、本能に凝り固まった上司を宥めたりすかしたりして、理性的に変えてゆく“逆教育”こそ、パイロットに対して、本能のままでは人間性の欠如した知能のない野獣に過ぎないという“心の痛み”を“感じさせる”仕組みなのである。(続く)
(キーワード 心 健康 本能と理性)
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14-7.裏表理論は認識論も支配するって? -えーっ?!上司を教育するなんて出来るの?!- [脳と健康]

14-7.裏表理論は認識論も支配するって? -えーっ?!上司を教育するなんて出来るの?!-

1.はじめに -生まれて目が開くことは目を開けることか?-

 赤ちゃんは生まれるずっと前に耳が出来あがる。音の刺激があるからだ。一方、目は大まかに明暗を見分けるくらいまで出来て生まれる。これらの感覚系は筋肉の発達と関係していて、自律神経系が感覚器官を形成する際に制御用として耳の筋肉や目の筋肉を同時に造って、情報収集をするためだ。赤ちゃんがお腹の中で手足を動かして練習をしている時、間脳と大脳皮質に本拠を置くパイロットは耳や目も一緒に試験的に動かして小脳の神経ネットワークを訓練しているのだ。生まれて間もない赤ちゃんが目を開けると、すでに視野に入ってくる映像を追う。そしてその形状を比較して像の認識をしては、より精密さを増すように小脳や辺縁系の感覚系に命令するのだ。
 耳の方は、出産時の破水と共に呼吸方式が鰓(えら)から肺に変わり、パイロットは大慌てで自律神経系を総動員して心臓と肺の筋肉をフルに動かす。ラッキーなことに声帯があって震えて音になる。これが産声だ。これが赤ちゃん自身の、パイロットの、耳に入る。それ以来、パニックの際にはパイロットは鳴き声を出すことを学ぶ。世界一優しいママが助けてくれる。母親の方からみると、間脳のパイロットが自分の分身だからわが子の痛みは自分の痛みと感じるからだ。これが本能と呼ばれる行動規準だ。先々の養育も本能による。

2.個人としての発達へ向けて -いよいよ自律から自立へ向かうのか!-

 動物の出産ではすぐに歩ける方が生き残る確率が高い。その点、霊長類は世話をする期間が長い。高い知能を持つと、目の大きい赤ちゃんが可愛いいから長く世話ができるし、次の妊娠にも備えられる。はいはいから二本足で立つ頃には話し始める。さあ、感覚系は、また、パイロットはこの時に何をしているのだろうか? 
 認識の仕組みは数学を使わないと本当には理解できない。比べるにしても大小関係と神経の機能がどのように関係があるのか、言葉や像が情報なのか、パイロットが何を大事と考えているのか、そして感覚系に何をさせようとするのか、そんなことが分かるのか、と思うだろう! それが分かるのだ! 自立して種の保存という暗黙の掟に従うためだ。DNAはそれをさせるように進化して来たのだ!

3.進化の意味 -それが結果論的確率論ということなのか!?-

 生命には今のところ寿命という定めがある。いきものの宿命だ。世代交代は悲しい現実だが、いきものの歴史から見ると進化という奇跡を生み出した。現在、生き残っている種は夫々に理由があって生存し続けている。絶滅した種には夫々どうして絶滅したのかの理由がある。その理由の中に偶然性が隠れていることに気が付くだろうか。そして、その偶然性がどこから来るのか分かるだろうか?
 進化にも寿命にも、そして偶然性にも共通することがある。それが時間だ。時間を過去に遡ることで原因や理由が分かる。量子力学と相対性理論では超ミクロなサイズと時間がエネルギーを介して原因と結果が明確でない場合があるが、通常は因果律という縛りがあって必ず原因または理由がなければならないのだ。48本ある染色体のDNAは減数分裂によって二本ずつに分かれる。そして空間に散開し、成長して行く。見合いや偶然を経て幸運にも相手を見つけて結婚し、そのうちに妊娠する。そして新たな組み合わせのDNAを持った染色体のセットを完成させる。
 さらに「幸運」か「不運」かの試練は続く。身近な範囲から地球規模に至る環境は万全ではない。弱いから群れを作れば良いようにも見えるが、裏面もある。敵は同じ群れの中にも出来るからだ! さあ、誰が最も生存に適しているおだろう?

4.群れ又は社会の弱点 -えーっ!? 民主主義でも駄目なの?!-
 赤ちゃんがひ弱いうちは群れにいる方が安全だ。国家や会社のような組織は階級制度があって、昇進と高収入という報奨制度によって働く意欲を引き出して働かせる。階級があれば上司がいるのは当然だ。この上司が問題だ。命令する上に、部下の手柄は自分のものにし、自分の失敗は部下のせいにする。保身に凝り固まった上司の下で働かされる人たちに救いはあるのだろうか?
 人間が意識する感覚系が「自分」と思い込まされて、影のパイロットである上司の存在に気が付かなかった。さあ、この上司はどのような人格を持っているのだろうか? そして誰がそのような人格にしたのだろうか? さらに疑問は続く。この上司の性格は変えられないのだろうか、というものだ。答は、自己認識に始まり、自己練磨へと進んで次第に分かってくる。なんと上司の性格を変える方法があるのだ!(続く)
 (キーワード 潜在意識 組織 上司の教育)

14-6.ジェット機のたとえ -えっ? 盲目のパイロットだって?!- [脳と健康]

14-6.ジェット機のたとえ -えっ? 盲目のパイロットだって?!-

1.はじめに -脳のトリックが分かるだって??-

 ジェット機が飛び立つともう死ぬまで降りられない。着陸する場所がないのだ。心臓や肺がエンジンだ。これらを動かして血液を循環させ、酸素を脳に供給し、細胞を合成するために栄養を摂取し、老廃物を透析し膀胱に集める。胎児から始まる身体の形成の初期段階において、最初は音も聞こえないし目も見えない。まして意識も無い。“間脳”にオフィスを構えた“社長、首相”役の第1の人格があなたの潜在意識を司る人生の隠れたパイロットである。これが最大のトリックの謎解きの出発点である。

2.胎児から自立人間への移行 -親(子)離れできない人には分からない??-

 あなたの人生のパイロットが生命を与えられ、成長して知能を持つようになる。DNAのプログラムがそうさせるのだ。失敗を繰り返しながら自力で動き、判断をして敵から逃れ、配偶者を見つけて結婚して子孫を作る。そして同じように家族を守り、育児と躾をして次世代に文明を引き継ぐ。パイロットは初めのうちは身体形成に専心して超多忙だ。受精卵がDNAプログラムによって分裂を繰り返し大きくなる。通信のための神経細胞を造ってインフラを整備すると、ニューラ ルネットワークが“記憶”と“判断”する能力を備える。“間脳”が第1の人格の中枢で、自律神経系を通して生命維持に関するすべての指令を出す。

3.知能のトリック -なんで数学が必要なのか、ここにその秘密があったなんて!-

 パイロットはDNAの持っているプログラムで心臓や肺、骨格や内蔵、それに耳や目、鼻や舌などの器官や組織を形成する。しかし環境把握と行動のための重要な判断能力は備わっていないのだ! さあ、どうするか? 最もスリリングな謎解きのクライマックスだ!
 神経細胞が単独であっても発火したりしない! 光や音や味などの五感の刺激、それに他の神経細胞などの出力が入力されてやっと興奮し発火する。興奮があれば冷静もある。そしてそこに“比較と大小の判断”という数学の機能が発生する! そしてネットワークとして状況判断をするときの価値観を持つ。これが“人格”の定義だ。

4.パイロットが頭を良くする方法 -これぞ裏表理論の本質! お見逃しなく!-

  神経細胞が組み込まれたニューラルネットワークが、記憶素子の集合と記憶として機能する。そして“脳梁”ができて来ると、ワークメモリの登場だ。これが舞台となって今現在の情報が保持され、これまでの情報との参照や照合、比較および一致度の検定などが行われる。そして心が動いた情報の記憶だけを、睡眠時に“大脳皮質”のシナプスによる長期記憶に新しく作る。これがパイロットの学習だ。こうして“認識する”第一の人格が間脳と大脳を中心に形成される。
  しかし、植物と本質的に違うのが筋肉による行動だ! 離れた土地を移動して食料を探さなければ生きて行けない上に、配偶者を見つけることもできない。餌を摂るためや敵と闘うためには武器も必要だが先ず腕力が大事だし、逃げる脚力も欠かせない。関節で連結した硬い骨を円滑に動かすには、いろいろな筋肉の中から選んで伸張させたり、或いは収縮させたりする必要がある。この微妙な判断を同時にするのが、“小脳”のニューラルネットワークの機能である。線形代数などの数学はここでも威力を発揮して、ロボット工学その他で実証済みである。
  ここで学習上問題になるのは、動かすことはどこまで動かして止めたらよいか、つまり、位置の検出と表裏一体であることだ。暴走しない仕掛けが必要だ。そのために、小脳のニューラルネットワークの学習は試行を伴う必要がある。そこで、第1の人格の制御の下で、“小脳+脳梁+辺縁系”が“意識”を持たされて、“感覚系”として学習が行われるのだ。ここにある秘密は、われわれの意識はこの感覚系によって齎(もたら)される、つまり、第2の人格が筋肉とともに発現するという、動物特有の構造上の特質であったことである。

5.こうしてパイロットは頭が良くなる -他人(ひと)にやらせるとは!!-

  パイロットは多忙なのだ! 身体は思春期に向けて生長を続ける。妊娠から出産、育児までこなせるように一人前にする(なる)ために、皮膚を始め、歯や爪、毛髪や体毛、脂肪や筋肉、美的な容姿などを構築する。食事から老廃物の代謝まで健康的な生活の生と、生殖のための性との欲求を扱うからだ。これが第1の人格の持つ“本能”である。
  これに対し、地理的および時間的な条件、つまり、4次元時空における世代を超えた種の保存という要請、つまり物理および数学上は経験的な“結果論的確率論”に基づいた生物学からの帰結であるのだが、進化の必須の条件である試行錯誤の“シミュレーション”をする能力が必要であった。それを、筋肉による行動として体得するのが、意識下で行う学習であり、社会的な圧力、すなわち躾や教育によって“勉強”する結果として記憶に蓄積される知識が“理性”である。従って、理性を持ったわれわれは、例外なく裏の本能の顔を持つのだ!
  パイロットつまり第1の人格、或いは潜在意識の主は、第2の人格の意識を賦活して学習させる。勿論“快感”という褒美を用意してある。そして、その学習結果を“脳梁”のバッファメモリから“大脳皮質”に写し取る。これが“睡眠”の大きな役割だ。バッファが一杯になると眠気(ねむけ)を感覚系に出す。安全な場所で寝る準備をするようにという信号だ。睡眠時には意識が消滅するが、入力を遮断してメモリのメンテナンスを行うためだ。運動系も停止する。そしてメンテナンスが終わると、再び意識を回復させる。環境を把握するためだ。小鳥の声など、爽やかな目覚めはこうして得られる。

6.快感の裏の恐怖 -支配者と被支配者、社会の安定と不安定など、裏表って一体??-

  脳の秘密を大まかに述べた。裏表理論の真髄はどこにあるか? 神経にもDNAにも結果論的確率論にも素粒子論にも宇宙論にも4次元時空にも、はたまた言語や学習理論にも、音楽やスポーツにも、社会組織や主義主張にも宗教や会社にも、ありとあらゆる物事に表裏関係が隠れている。情けと恨み、愛と憎しみ、いじめと助け合い、友情とライバル、社会的と反社会的、消費と供給、テロも談合も然り、儲けと損、生と死、戦争と平和、楽と苦、山と谷、幸福と犠牲、嘘と真実、そして信仰と科学、神と悪魔に至って驚愕の連続に息を呑むばかりだ。一体、救いはどこにあるのだろう?
  このまま発表を終えれば楽だ。しかし裏表の二面性は、確率論に到達してようやく納得する。静と動こそ、一方的な時間の流れにおいて、自分を見直す拠り所だ。動を感じるからこそ静謐(せいひつ)を感じる。音楽や文章における“間(ま)”は、“無”に通じるが消極的でもあり、積極的でもある。犠牲を最小にする手段が追及されなければならない。これがヒントだ。(続く)

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14-5.「裏表理論」 -遂に発表してしまう! なぜ60の手習いなのか?- [脳と健康]

14-5.「裏表理論」 -遂に発表してしまう! なぜ60の手習いなのか?-

1.はじめに -これまでの経緯と新たな閃き-

 これまで英語では“Two-Faced Theory" と称して日本語訳では二面理論と言ってきたが、少し違和感があり、釈然としない訳であることは認識していた。人は皆、二重人格者だとも主張して来た。これもずれた表現であった。それが突然閃いた! 毎度のことだが閃きには条件がある。やらなければという焦りがあるにも関わらず、音楽、テニス、ゴルフなどと “遊ぶ”のだ。あらゆる欲求が充たされたときに閃きが来る。そしてその閃きは意外な単純さを伴っていて、うっかりすると忘れてしまいかねない。今回の閃きこそ今までの曖昧さをものの見事に払拭してくれる英語の表現の対訳である。人は誰でも裏表があるようにできていると言えば誰でも納得するだろう。実はいきものを造りだした母なる自然が裏表を持つからに他ならない。従って、これまで研究してきた集大成を日本語で「裏表理論」と名付けることにする。

2.なぜ自然が、人が裏表なのか? -すべてがエネルギーから始まっている!-

 何も無いところには何も生まれない。しかし、物理の視点からは、宇宙には何も無い空間はないのだ! ビッグバンによって莫大なエネルギーが開放され、拡散しながら冷えるにつれて物質化し、それが集まって星になり星雲や星団、そして銀河を形成する。超新星の爆発に見られるように星には誕生があれば死もある。そこには厳然と“たった4種類だけ”の力しか働いていないのだ! エネルギーからクォークや電子などの限られた種類の素粒子が数多く創られ、核子を創ると水素やヘリウムそして炭素や酸素などの原子になる。
 相互作用によって状態が変化するとき、状態の境目ができる。安定化する方向に反応が進むとしても、またエネルギーを与えれば逆に戻る。気の遠くなる時間を経て、現在の状態に落ち着いたとしても、依然として太陽の活動は続き、地球にエネルギーを与えながらやがては燃え尽きるのだ。物理から化学そして生物へと視野を拡大する。素粒子、原子、分子、DNA、細胞、骨格、身体など、どのスケールをとっても形成の段階で安定な面がある。この面が裏と表を持っているという単純極まりない事実こそ、あらゆるいきものの脳の原理となっているというのが主張なのだ。どちらが裏でどちらが表かは、どちら側に立つかで変わる。この原理は人間の集団にも当て嵌まる。ここが理論の凄いところだ! 最もシンプルな原理がすべてを明らかにする。これなら理解できない人はいないだろう。

3.脳のトリック -自分の頭が裏表の顔を作っているだって、そんなバカな! けれども??-

 最初の受精卵がDNAを完成させる。そして卵割と呼ばれる分裂を繰り返す。DNAコンピュータが働いてプログラムされた反応を行っている。子宮に着床して母体を補給先として確保する。母体の方も排卵から計算づくで待ち構えている。そして分裂が進み、大きくなった胚の中で連絡を司る神経細胞を産生し始める。インフラが出来るにつれて、脳の原型の間脳を造って社長室を置いて本拠地とする。身体形成のゼネコンの本社だ。ここからの命令で輸送用に心臓と血管を用意し、母体から補給された栄養を元に原料や資材の調達、そして排泄まで面倒を見て貰う。やがて鰓(えら)呼吸から肺呼吸に変わる用意をして肺を形成する。将来、エネルギー変換のための食物の摂取用の消化器系、酸素-二酸化炭素交換用の呼吸器系等を整備して行く。こうして自律神経系が体系化されて出来て行く。いわば、ジェット機のエンジン系等が配線されて飛行を始めるのだ。社長はこの機体をどうするのだろう。
 次に頃はよしとなると、小脳、そして大脳と脳梁、海馬等の形成と整備にとりかかる。将来、子孫を残すための必須の条件を充たすためだ。思春期になるまで健康で成長を続けることが要件だ。そのためには、地理的、環境つまりどこに餌があるか、敵か味方か、逃げるか闘うか、食べられるか毒か、性の相手なのか、ライバルと戦うのか、これらがどうしたらうまく行くのか、等を認識しながら戦略を練るための思考力を身に付ける必要があるのだ。自分だけでも出来そうだが、そうは行かない。赤ちゃんは全くの無防備で生まれる。ラッキーなのは母親が育児本能を持っていてくれることだ。そればかりではない。父親も含めて子ども或いは孫の躾けや教育をする本能を備えているのだ。
 なぜ小脳なのか。なぜ大脳ばかりか脳梁なのか。解剖学と神経学が見落としていた事実が数理学からの考え方によって発見されたのだ。産生された神経細胞が記憶に関与するのはシナプス結合によるが、これは空間を電気力に誘導されて手足を伸ばすからで、時間がかかる。一方で、刺激は次から次へと入ってくる。必要な情報を一旦、保存しておくためのバッファメモリが必要で、それが脳梁の役目なのだ。海馬や辺縁系、扁桃体などは情報を選択するための器官である。こうして自律神経系に命令されて思考を繰り返してスムーズな行動を取れるような意識を持った第2の脳が出来て行く。ジェット機は周囲の環境の把握をしながら燃料を自力で補給し、飛行を続けるのだ。
(続く)Tags:裏表理論 脳 健康

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2007-10-06 [はじめに]

 人からいかにも楽天家だと言われるが、そう見えるように振舞っているからだ。本心は悲観的だが、健康に良くないのでスポーツをやり、楽器を弾いて、なんとか健康を保っている。最近、脳と心の仕組みを解明し、それを活用しようと試みたが、徒労だということも分かった。誰も理解できないのである。分かるように書いても、冗長になり、長くなり過ぎて飽きてしまう。数式を書けばアレルギー、平易になればなるほど、単純に当たり前のことばかりだと言う。
 遂に最大の謎にぶつかった。日本語では、苦しみという言葉はしょっちゅう出て来る。息をとめているとだんだん苦しくなる。水にもぐっていてもそうだ。この苦しいという表現を英語で言おうとすると、困ってしまうのだ。似たような問題は、日本語にもある。考えるという動詞の意味を説明できるだろうか。社会の一員であるためには、暗黙の了解という掟に従わねばならない。例えば、人間は動物的な面をできるだけ隠さないといけない。人間は動物ではないのだ。そればかりか、学校では正直であることが最善と教えるのに、社会は商業が中心で、何とかして大勢の人々を騙して儲けることが成功の秘訣と学習させる。
 外国人は日本人だけが裏表のある国民だと思っている。日本人はその事実を知らない。実は、いきものすべてが知能を発現するために、二重人格になっているのだが、信じられるだろうか。プライドのために到底受け入れられないだろう。さあ、無知のままでいるか、もっと知りたいと知識欲に燃えるか、あなたは残りの人生と子供の将来に向けて、何らかの決断をするだろう。


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